間違いだらけの中学校・塾選び?中学受験パニック(東洋経済)まとめ・感想
こんにちは!関西の中学受験ブログのマグロです。
中学受験に挑戦する小2の長女(エビちゃん)と年中の長男(サーモンくん)がいます。
週刊東洋経済(2024年2月3日特大号)で、中学受験の現状(リアル)が特集されていました。
興味深くて、早速購入して読んだので、内容と感想を簡単にまとめました!
中学受験狂騒曲(パニック)
本号の週刊東洋経済では、「中学受験狂騒曲(パニック)」と題して、現在の日本の中学受験について、特集が組まれています。
首都圏(関東圏)中心の内容ですが、関西圏や全国の事情についても触れられています!
好景気に支えられて受験者が増加している中学受験ですが、「過熱」というよりは「パニック」に近い現象であるとして、中学受験についての様々な「間違い」や「誤解」が記載されています。
それぞれの項目について、感想とともに記載します!
過熱する中学受験のリアル
この項目では、中学受験についての現実(リアル)を、具体的な「数値」で確認する内容になっていました。
中でも衝撃的だったのは、中学受験に挑戦する家庭の過半数が世帯年収1000万円以上であるということです。
少しデータが古いですが、2021年の平均世帯年収は545万円ですので、中学受験に挑戦する家庭は、平均的な家庭より「圧倒的に裕福」です。
何となくわかっていたことですが、やはり家庭の「経済力」が無ければ、中学受験の土俵に立つことすら難しいですよね。。。
小6の中学受験対策費用(塾代や家庭教師代)は、100万円を越える家庭が4割以上というデータも載っています。
中には200万円以上という層もいるので、中学受験が「沼」と言われる理由がわかる気もします。
間違いだらけの中学校選び(激変する中学序列)
この項目では「昔の人気中学校」と「今の人気中学校」、つまり「昔の高偏差値校」と「今の高偏差値校」を比較して、中学序列の変化について、説明する内容になっていました。
一部の最難関校を除いては序列の変化が激しく、このようなデータを見ると「偏差値が0.1でも高い学校へ」という志望校の選び方は間違っていると強く思います。
せっかく頑張って中学受験をするのですから、偏差値以外にも魅力がある中学校へエビちゃん、サーモンくんを進学させてあげたいです!
間違いだらけの塾選び(子どもに合った塾はここだ)
この項目では、縦軸に「志望校難易度」、横軸に「塾にお任せ度」を設定して、中学受験進学塾をタイプ別に分類していました。
首都圏4大塾(SAPIX、日能研、四谷大谷、早稲田アカデミー)、関西4大塾(浜学園、希学園、日能研関西、馬渕教室)はもちろん、中規模の進学塾も載っています。
とりあえず「大手塾」というのは、志望校難易度や家庭でのフォロー体制によっては、間違った選択になってしまいます。
マグロ的には既知の内容がほとんどでしたが、中学受験進学塾をこれから選ぼうかなと考えている人にとっては、見やすくまとまっていると思います。
中学受験で課金地獄の果ての離婚危機
この項目では、タイトルの通りですが、中学受験をきっかけに「夫婦仲が悪くなった」実際の家庭をレポートした内容になっていました。
中学受験は「時間」も「お金」も使いますので、夫婦のケンカの原因になりやすいですよね。
特に夫婦の方針も違うとなると。。。
中学受験は「これだけお金を使ったのだから」とか「これだけ時間を使ったのだから」とかの感情が邪魔をして、撤退するにできない状態に「ハマりやすい環境」です。
専門用語で「サンクコスト効果」や「コンコルド効果」と呼びます!
中学受験は家庭を壊してまでもチャレンジするものでは無いですよね。
当たり前のことなのですが、機会がある度に肝に銘じたいと思います。
中学受験で「燃え尽きる」子どもたち
この項目では、中学受験で大きな負荷がかかってしまい、中学進学後に「不登校」や「うつ病」の状態になってしまった、実際の家庭をレポートした内容になっていました。
子どものためを思っての中学受験なのですが、このようになってしまっては完全に裏目です。
当たり前ですが、子どもの人生は中学入学後の方が長いです。
子どもの「心身の健康」と「勉強」を天秤にかけて、勉強を選ぶ親はいないと思います。
常に子どもの状態には気を配るよう、注意したいと思います!
中学受験が奪う親と子の時間
この項目では、中学受験に挑戦している実在の親子の、具体的な1週間のスケジュールについて取り上げる内容になっていました。
取り上げられているのは共働き家庭の「ママ」と「子ども」のスケジュールですが、壮絶です。
ママは平日の平均睡眠時間は5時間、子どもは週6日の塾通い!
ママはフルタイムで働いていて、子どもは塾を掛け持ちしている家庭ですが、リアルにこのような家庭は珍しくないでしょう。
中学受験に挑戦する家庭の過半数は世帯年収1000万円以上ということは、共働き家庭も多いでしょうしね!
確かに大変なスケジュールではありますが、何かを成し遂げるためには努力も必要。。。ということを考えると、中学受験にはある程度の「覚悟」が必要だと思っています。
中学受験回避の小学校受験
この項目では、中学受験を回避するための「小学校受験」について取り上げていました。
首都圏では過熱する中学受験を回避するために、小学校受験を志す家庭が増えているとのことです。
関西圏のマグロ家にはあまり関係ない話かな~とパラパラと読みました。
驚いたのは、小学校から私立だと、中学校から私立のパターンと比べて、学習費が2倍程度かかるということです。
中学校から私立でも高いと思っていたのに。。。衝撃です。
中学受験のデマ
この項目ではネットが発達して、色々な情報・噂が入ってくる現代で、中学受験の「デマ」と「思い込み」について取り上げた内容になっていました。
8個のデマ・思い込みについて、順番に見ていきたいと思います!
デマ・思い込み① 高校入試をやめている女子校が多い?
中学受験界では「高校入試をやめてしまう女子校が多いから、女子は中学受験をした方が良い」という噂があります。
これは、デマだとデータをもちいて本誌では解説されています。
実際には、女子校は高校入試実施学校がむしろ増えており、逆に男子校は減っているというデータがあります!
デマ・思い込み② 小1から入塾しないと最難関校には入れない?
首都圏(関東圏)で最難関校に圧倒的な合格実績を誇る「SAPIX」
最難関校への合格実績がスゴく、人気が高いため、「小3の2月」からでは入塾できない(最難関校に入れない)、小1から入塾する必要があるという噂があります。
これは「半分本当で半分ウソ」だと、本誌では記載されています。
低学年の方が入塾しやすいのは事実だと思いますが、高学年では入塾できないということは無いです!
デマ・思い込み③ ギリギリで合格すると「深海魚」になってしまう?
せっかく志望校に合格しても、ギリギリの合格だった場合は、学力的には「最下層」になります。(中学受験界隈では「深海魚」と呼びます)
そうなると自己肯定感が上がらず、子どもに悪影響があるという噂があります。
本誌ではそのようになってしまうのは、親が子どもを「学力」でしか見ていないからだと指摘しています。
子どもの心配よりも、親の考え方を変えた方が良いと記載がありましたが、確かに一理あると思いました!
デマ・思い込み④ 偏差値一覧の上位に女子校が少ない?
偏差値の上位校には男子校が多くて、女子校が少ない。
本誌では、これは事実だと記載されています。
だからと言って、男子校の方が女子校よりも優秀であるという話ではなく、女子校は男子校よりも数が多い(約3倍)ので、1つの学校に志望が偏らず、偏差値が出にくいと書かれています。
理由を考えれば、納得ですね!
デマ・思い込み⑤ 私立中高一貫校の存在が教育格差を広げている?
東大の合格者ランキングでは、私立中高一貫校の出身者が多くを占めている状態であり、「私立中高一貫校>学力が高い」ので、教育格差は広がっているという噂があります。
本誌ではこれは思い込みであるとしています。
そもそも公立でも私立でも「優秀な生徒」が集まる学校が進学実績が高くなっているのであり、私立中高一貫校で「良い教育」が行われているわけではないと記載しています。
「良い進学実績」が「優秀な生徒」を集めて、教育には大差ないのだけれど、また良い進学実績となる、進学校の好循環ですね!
デマ・思い込み⑥ 海外大学進学も当たり前?
海外大学の合格者数をホームページに載せている私立が増えており、「今の時代は海外大学進学も当たり前」という噂があります。
しかし、これは思い込みであると本誌では記載されています。
確かに海外大学への「合格実績」は増えていますが、実際の「進学実績」となると、それほど増えていないとのことです。
海外大学への進学に興味があるのならば、「合格実績」ではなく「進学実績」で見るべきだと思います!
デマ・思い込み⑦ 大学進学実績がいい学校に入れば選択肢が広がる?
一般的には偏差値の高い大学に入れば、それだけ可能性が広がり、選択できる職業が増えると言われています。
本誌では、必ずしも選択肢が広がるわけではないと記載されています。
逆に「せっかく◯◯大学に入ったのだから、大企業に入らないと」といったように、むしろ選択肢を狭める考え方になってしまうリスクもあるのだとか。
確かに偏差値が高い人が、こぞって医学部を受験することは、ある種選択肢が狭まっているとも言えますよね!
デマ・思い込み⑧ 最難関校に多数合格者を出している塾がいい塾?
各進学塾は、最難関校・難関校の合格実績を全面に押し出して宣伝するので、どうしても「最難関校に多数合格している塾が良いのでは?」という考えが生まれます。
しかし、各進学塾が発表している合格者数はダブリがあることを本誌では指摘しています。
「系列塾の合格実績も含めている」ことや「志望校別特訓や季節講習だけを受けた子もカウントしている」といったことがあるのです。
進学塾も商売なので、塾生を集めるために必死です。
また、進学塾の授業の質に差があるのか、生徒自身の能力に差があるのかも、曖昧で良くわからないと、本誌では記載されています。
最後に
今回の週刊東洋経済の中学受験特集は、マグロ的には既に知っている情報が多かったです。
しかし、改めて頭の整理になる部分も多かったので、購入して良かったと思います。
今後も中学受験に向けての情報収集は欠かさないつもりです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!